古九谷を追う&古九谷を残す

週1くらいの更新になります

2020-11-03から1日間の記事一覧

フロイス(6)富の源泉としての富国強兵と殖産興業

私:幕末から明治初期に海外に行った人間は多い。福沢諭吉、渋沢栄一、津田梅子……。 N:政治家では「岩倉使節団」でしょうね。大久保利通も木戸孝允も伊藤博文もです。 私:彼らは海外に「行って」海外を理解した。しかし信長はフロイスの話を「聞いた」「だけ…

フロイス(5)信長の目を開けるキリスト教の「人間観」

N:このところ、話のインパクトが弱いような気がします。これくらいのインパクトでは信長の目は開きません。フロイスの何がいったい信長の目を開けたのでしょうか? 私:信長はフロイスの知性を愛し、フロイスとの議論を好んだ。信長の冗談めかした直球の質…

フロイス(4)冨の源泉としての茶道 茶器は密談の権利

私:茶道。 N:茶道が資本主義ですか? 私:ホームレスからのし上がった織田軍団を「文明化」するために信長は茶道でナイキ 戦略を使う。ナイキ戦略とはトップアスリートがもつ価値観(足利将軍家)をナイキが一般のスポーツ愛好者(織田軍団)に広める戦略…

フロイス(3)信長は政治家としてのキリシタン

私:新国家造りに仏教を利用する聖徳太子と、キリスト教を利用する信長はとても似ている。 N:しかし信長はそもそもキリシタンですか? 私:秀吉も家康もキリスト教禁教令を出すが、信長には禁教令がない。信長は「政治家としてのキリシタン」だと思ってもら…

フロイス(2)信長はキリスト教で新国家建設

私:ところで記録では、フロイスと信長は、宗教の教義の話を多くしている。われわれは南蛮「文化」につい目が行くが、しかし信長は南蛮「文明」にこそ関心を寄せたのだ。 私:信長の宗教観は聖徳太子に似ている。聖徳太子は仏教による新しい国造りを始めた。…

フロイス(1)富の源泉としての漆

私:さてここからはカトリックのルイス・フロイスを語ろう。フロイスが信長に貢献したことを時間を大きく割いて論じてみよう。 N:フロイスは信長にいったい何を与えたのですか? 私:まず「南蛮漆器」の輸出先だな。南蛮漆器とは南蛮向けの漆器のことで、聖…

信長の経済論(3)勝っても紙くずを乗り越える

私:作蔵君、「西郷札」を知ってるかい? 西南戦争のとき鹿児島で発行されたお札だがね。西郷隆盛が負けたので、西郷札は「負けて紙くず」となる。一方新政府は日本初肖像画入り「神功皇后札」を発行するが、新政府は戦争には勝ったが、しかし神功皇后札は「…