2020-11-16から1日間の記事一覧
私:利常の文化政策も終盤に入ってきたな。信長の文化政策と比較して、利常の文化政策を語ってみたい。さて信長は「茶器」を領土(一国一城)にした。信長のパラダイムシフトには目を瞠る。これを「御茶湯御政道(政治に文化を持ち込む)」という。政治の報…
私:利常の「文化政策」は加賀藩を劇的に変えたが、そこにも利常の人間性が垣間見られる。2代利長の死と豊臣家の滅亡や島原の乱の鎮圧は、利常に権力や信仰の脆さをつくづく感じさせた。 N:権力や信仰の脆さが利常の文化政策にどう影響を与えたのでしょう?…
私:いよいよ、作蔵君、話は佳境に入る。前田三代の「文化政策」を語ろう。 N:文化政策にも家康指令がありましたよね? 私:徳川は前田に「文化立藩」の方向性を指し示した、禁中並公家諸法度の前田版といえよう。だから後水尾天皇と利常の文化政策は瓜二つ…
N:しかし「茶」と「古九谷」の結びつきが……。 私:「茶」の世界の裾野は広い。手仕事の世界は「美」の世界だ。「湯釜」、「箔」、「漆器」、「友禅」、「縫」、「竹細工」、「表具」そして「和菓子」。金沢の和菓子は降嫁する珠姫のために「5色生菓子」を…