古九谷を追う&古九谷を残す

週1くらいの更新になります

2020-11-21から1日間の記事一覧

(2)蝶は飛んでいるか?

私:ところで武腰潤氏による「東博」の「牡丹」の作品解説があった。この作品をみたことがきっかけとなり、「古九谷」作家になったとの驚きの告白があった。まず線の話があり、職人の線ではなく画家の線(武士の線)だとの指摘がある。その後、蝶の「位置」…

最後に問う 二つの「牡丹」(1)ハーモニーとヴァルール

私:さてここからは2枚の牡丹を描いた「古九谷」きっての大名品を対比させながら話を進めよう。「亀甲牡丹蝶文大皿」(重文・「古九谷」No.1との評価もある)と「牡丹蝶文捻大皿」(東京国立博物館。以下東博)。 N:「色のハーモニー」と「色のヴァルール」…

(3)鷹峰(琳派)

私:ところで、先ごろ、東京オリンピック・パラリンピックの記念硬貨で「風神雷神図」が話題になった。また俵屋宗達・尾形光琳・酒井抱一「風神雷神図屏風」3作品が一堂に会する展覧会も人気だ。 N:宗達・光琳の2作品はみました。 私:光琳の画法は宗達を…

(2)牡丹

私:斎藤菊太郎(古九谷新論)によれば、九谷の画工は『八種画譜』の使い方が上手という。「色絵古九谷の花鳥図は、初期柿右衛門の赤絵花鳥図が焼かれた年次からはやや遅れて、雁行して焼成されたであろうことは想像に難くありません。色絵古九谷の赤絵技法…

『八種画譜』から「古九谷」へと至る道(1) 素描

私:いよいよ話は佳境にはいってきたな。『八種画譜』から「古九谷」へと至る道についてまとめて話そうとするか。テーマは『八種画譜』から着想を得て、「古九谷」の名品がつくれるのか?、だ。 N:『八種画譜』って何ですか? 私:中国でできた絵手本だ。「…

「古九谷」の縁

私:さて今度は「古九谷」の縁の話をしよう。そもそも「古九谷」には総絵のものと縁のあるものとがある。縁のある皿は、江戸時代の流行りで、とても人気があり、歌人が一首歌いたくなる中国風の「古九谷」が好まれた。 N:作家はどういう場合に縁をつけるの…

「古九谷」の背景の文様

私:次は背景の文様に移ろう。「古九谷」には一面を黄色や緑色で塗り埋めた作品がある。それを「青手(塗埋手)」という。それらには必ず背景に文様がある。文様がなければ作品が締まらない。 N:文様? 私:地文様ともいう。「青手(塗埋手)」には目が喜ぶ…