本作品の結論部分です。古九谷という「謎の多い焼き物」はいったいどのように誕生し、ほんの20年ほどの歴史を残してあっさり消えてしまったのはなぜか。人気のある戦国末期の諸相をからめながら、信長と利休の「髑髏盃」を追い、「古九谷」には信長と利休の残影があることを語ります。
古九谷の名品はゴッホやマティスやセザンヌの油絵をみているような錯覚に襲われます。しかも古九谷は江戸初期、彼らよりもはるか200年も前の芸術作品なのです。ではその奇跡の古九谷をいったい誰が、なぜ、どのようにしてつくったのでしょうか?
- 古九谷を追う 加賀は信長・利休の理想郷であったのか(幻冬舎)抜粋