フロイス(3)信長は政治家としてのキリシタン
私:新国家造りに仏教を利用する聖徳太子と、キリスト教を利用する信長はとても似ている。
N:しかし信長はそもそもキリシタンですか?
私:秀吉も家康もキリスト教禁教令を出すが、信長には禁教令がない。信長は「政治家としてのキリシタン」だと思ってもらえばいいかな。
N:政治家としてのキリシタン?
私:新国家造りに信長はキリスト教を利用した。キリシタン外交を行い、宣教師たちと深く交流した。信長は彼らとの交流は天下人の仕事だと思っていたのだ。
N:キリスト教での新国家建設とは、具体的にはどういうことでしょうか?
私:たとえば楽市楽座など、資本主義や重商主義の経済政策で日本を造り変える。それらはフロイスからの着想で、フロイスは信長に戦国を終わらせる勇気と希望を与えたのだ。
N:さらに具体的にお願いします。
私:まず宗教勢力から既得権を奪取する。次は「自由化」と「活性化」。「規制緩和」と「新規参入」。「楽市楽座」、「関所廃止」、「道路整備」、「水運」。そしてもう一つ……。
●古九谷を追う 加賀は信長・利休の理想郷であったのか(幻冬舎)抜粋