（3）鷹峰（琳派）

私：ところで、先ごろ、東京オリンピック・パラリンピックの記念硬貨で「風神雷神図」が話題になった。また俵屋宗達・尾形光琳・酒井抱一「風神雷神図屏風」３作品が一堂に会する展覧会も人気だ。

N：宗達・光琳の２作品はみました。

私：光琳の画法は宗達を「敷き写し」したものであり、抱一は光琳を模写したが、宗達オリジナルは知らなかったとされる。

N：抱一は宗達のコピーのコピーですね。

私：師を尊敬し、その作品を模範とする。ゴッホと同じ手法だ。そして「オマージュ」で師に挑む。光琳の「オマージュ」は『紅白梅図』であり、抱一の「オマージュ」は『夏秋草図』である。

N：「オマージュ」とは何ですか？

私：師の作品（風神雷神図）から着想を得て、師に挑んだ作品だ。琳派は宗達と光琳も１００年、光琳と抱一も１００年、私淑が時空を超えている。

• 古九谷を追う 加賀は信長・利休の理想郷であったのか(幻冬舎）抜粋