古九谷を追う&古九谷を残す

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家光を意識した「古九谷」

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私:話は変わるが、「古九谷」は家光を意識している。利常は家光にないものをしっかりと認識していた。家康も、利家同様、朝鮮に渡海していない。だから朝鮮陶工を奪えず、そのため陶磁器制作の技術がない。だから「古九谷」をつくれば、家光に勝てる! 利常はそう思ったのだ。

N:利常の「古九谷」には「売る」意識はまったくありませんね。

私:権威の象徴だから売るなんてことは金輪際ない。

N:では珠姫は意識してませんかね?

私:珠姫は1622年に死んでいる。開窯のはるか20年も前だ。

N:他に何か意識していませんかね?

私:「京の目利き」、ありとあらゆる京の文化人や教養人を利常はしっかりと意識していたね。

  • 古九谷を追う 加賀は信長・利休の理想郷であったのか(幻冬舎)抜粋