古九谷を追う&古九谷を残す

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利休を見直そう(1) 「一期一会」と「最後の晩餐」

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私:さて利休の茶だが、利休の茶は戦国の荒ぶる魂を鎮める。陣幕での茶会は「一期一会」となる。茶会は必勝を誓いもするが、この世での「別れの儀式」、「死への旅立ちの儀式」でもある。

N:それが利休の茶のほんとうの意味なのですか?

私:西洋では茶がワインなのだ。 

N:「最後の晩餐」ということなのでしょうか?

私:そうだな。キリストは処刑される前夜、12使徒と最後の晩餐でワインを飲む。

N:西洋はワインでの「一期一会」ということですね。

私:利休は茶の湯キリスト教を組み込む。そしてキリスト教の儀式を戦国化する。つまり利休はミサから着想を得て、茶の湯を変え、新たに茶道を発明したのだ。

  • 古九谷を追う 加賀は信長・利休の理想郷であったのか(幻冬舎)抜粋