(2)利休の「茶室」はキリストの囚われた監獄
N:では利休は何を発明したのでしょうか?
私:利休は草庵の茶(客と亭主が一座を建立する座敷の茶)を大成した。はやい話が茶を飲むのに「茶室」を設けたわけだ。
N:キリストの「最後の晩餐」は「食堂」でワインでしたね。ところで利休はミサを茶室にどう取り入れたのか教えてください。
私:利休の「待庵」(国宝)にはにじり口があり、わずか二畳だ。
N:「狭き門より入れ」でしょうか?
私:利休の国宝「待庵」はイエス・キリストが囚われた薄暗い「牢獄」だ。
N:おおおお!
私:格子の入った小さな窓は牢獄の鉄格子だ。またゴルゴダの丘(キリストが十字架に架けられたエルサレムの丘)の石畳は網代板で、「待庵」と書院をつなぐ縁にある。
- 古九谷を追う 加賀は信長・利休の理想郷であったのか(幻冬舎)抜粋