古九谷を追う&古九谷を残す

週1くらいの更新になります

2020-11-20から1日間の記事一覧

「古九谷」の生地の形状

私:話を色から形に移そう。形のバリエーションは豊富でじつにたのしい。 N:どんな形のものがあるのですか? 私:ふくべ(ひょうたん型)。おめでたい形とされ、秀吉の馬印の千成瓢箪が有名だが、そもそもひょうたんには種が多く、子孫繁栄の意味がある。他…

「古九谷」の生地の色

私:次は「古九谷」の生地を語ろう。「古九谷」の生地は白っぽいし、青っぽいし、鼠っぽい。つまり真っ白ではない。 N:なんともいえない生地の色です。 私:その色の生地を「鼠生地」と呼ぶ。鼠生地は「古九谷」の釉薬に深みや透明感を与えている。その鼠生…

「色のハーモニー」と「色のヴァルール」

私:そして硲伊之助によれば、「古九谷」(色絵磁器)の2条件は「ハーモニー」と「ヴァルール」だ。ハーモニーは「色のハーモニー(色彩調和)」と使う。またヴァルールは「色のヴァルール(色彩遠近法)」と使う。 N:色にも遠近法があるのですか? 私:色…

「色のハーモニー」 「古九谷」は理屈抜き

私:ところで海部公子氏(硲伊之助の後継者)は「理屈抜き」をよく口にする。「硲伊之助の油絵作品は色の調和を求めるものであり、観念によって制作したものではない。色彩感覚に導かれ描かれたもので、何やかんやと『批評家』が裏読み的解説をする必要のな…