古九谷を追う&古九谷を残す

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政治的な側面からの比叡山焼き討ち

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私:「比叡山焼き討ち」を政治的側面から語ってみよう。日本に宗教戦争がないのは信長が比叡山焼き討ちをしたおかげだ。

N:あのころの宗教集団は軍事集団でしたものね。

私:信長最大の敵は、武田信玄でもなければ、上杉謙信でもなく、石山本願寺だ。死の前年まで、11年もの長きにわたり、信長と石山本願寺とは戦火を交えた。

N:鉄砲の数でも信長は石山本願寺に負けていましたものね。

私:100年に渡る戦国の戦争で日本人が鍛えられたように、11年にも渡る宗教勢力との激闘が信長を鍛えた。

N:どう鍛えたんのでしょう?

私:武力では人心を支配できない。人心を支配できるのは宗教のみ。そして政治権力と宗教を一体化させなければ、キリスト教帝国主義に日本が乗っ取られる。信長はそう学習したのだ。

N:あれ? 政教「一致」? 皮肉ですね。政教「分離」を成し遂げた信長が、逆に政教一致を志向するとは。

 

●古九谷を追う 加賀は信長・利休の理想郷であったのか(幻冬舎)抜粋