古九谷を追う&古九谷を残す

週1くらいの更新になります

2020-12-03から1日間の記事一覧

感想 その2

●●読み終わりました。達成感、満足感とともに、一抹の寂しさも感じました。もう、この二人の世界を共有することができない。二人と言いましたが、Nさんは、実在の人ですか?こんな素敵な本に名前を入れていただき嬉しいです。古九谷の部分は、ネットで、写真…

感想 その1

●戦国期バサラで生き抜いた前田家は、安定期に入ると陣羽織に代わるものとしての「古九谷」を産んだ。 「古九谷」の部分が多ければさらに良かったが、信長の後継者としての前田家と、安定期を生き抜く美術国家としての代表格「古九谷」を生み出す前田家の生…

(12)普遍性を求めて

私:この3日間の議論を通じて、作蔵君は、時代を貫く普遍性を感じ取ってくれただろうか? 視点についても、国内のみの視点ではなくて、世界史的な視点でものを見る重要性を、信長・利休を通して感じ取れただろうか? N:キリスト教で戦国を終わらせると決意…

(11)時空に残す前田家

私:作蔵君、ふいに作蔵君が誤解していたら……。気になり始めた。スティーブ・ジョブズやイーロン・マスクだと理解しているのかな? N:何の話でしょうか? 私: 「古九谷」を作ったのがイーロン・マスクやスティーブ・ジョブズなのだよ。 N:どういうことで…

(9)古九谷の中に信長をみた 

N:先生、もう少しだけ「古九谷の中に信長をみた」を語ってもらえませんか? 私:作蔵君、金沢はお茶会が盛んで、長年、和菓子の消費額で全国一位なのは知っているよね。利家の頃から、京から多くの茶人を招いたからで、利常にいたっては裏千家始祖の千仙叟…

(8)もしゴッホが「古九谷」をみたら

N;この3日間は塾のときの幸せな時間を思い出しました。ありがとうございました。また夏、帰ってきます。 私;作蔵君、ちょっと「古九谷」をゴッホ絡みで語らせてくれないかい? N;ゴッホと「古九谷」。どんな話の展開になるのでしょう。 私;もしゴッホが…

(7)「青手(塗埋手)古九谷」は信長と利休の「古九谷」だ

N:もうこれで最後のリクエストです。信長・利休から「古九谷」への流れですが、もう一歩突っ込んだ話が聞きたいのですが……。 私:作蔵君、ありがとう。そのことを語りたかったのだよ。これからが私の新「古九谷論」の結論になる。さて「古九谷」を絵画性で…

(6)「古九谷」の何が真に素晴らしいのか?

N:よくわかりました。では次ですが、今私が一番知りたいことを質問します。一体全体「古九谷」の何が真に素晴らしいのでしょうか? 私:私には「牡丹」(東博)が印象派の油絵に見える。ある時、印象派以前の油絵をまとめてみて、とても古臭くて驚いた。 N…

(5)「古九谷」伊万里説は論外だ

N:先生! 緊急提案です。このままでは、私の知りたいことが聞けずに終わりそうな気がしてきました。質問させてください。いいですか? まず「古九谷」産地論争=「古九谷」伊万里説についての先生の見解を教えてください。 私:「古九谷」伊万里説なんて、…

(4)利常の「古九谷」は陣羽織

私:さあいよいよ約束の芸術的なアプローチで「古九谷」を語る時が来たね。利常は自分の好みを「古九谷」に爆発させたんだ。ある「古九谷」構想が利常に浮かんだ。「古九谷」――「陣羽織」構想だ。そう、利常の「古九谷」は陣羽織の世界なんだよ。 N:陣羽織…

(4)利常は霙だ 

N:ならば利常はどうみればいいのでしょう? 先生の冷徹な目で利常を語ってくれませんか? 私:利常の立場は、前田であり、徳川である。しかし、前田であり、徳川ではないとか、あるいは前田ではなく、徳川である、ではない。 N:なんだか微妙ですね。 私:…

(3)利家と利長を思う利常

私:そして利常は父(利家)を思い、兄(利長)を思った。 N:利常は利家をどう見ていたのでしょうね? 私:利家の織田家での存在は、一前線部隊の将として柴田勝家に追随する武将という立場だった。 N:まだ24万石ですものね。 私:一方豊臣政権での利家は…

(2)利政が利常を動かす

私:ここからはふたたび利常の心のコアに迫ろう。前にも触れたが、利常のアイデンティティーは利家だ。しかし利常は利家の子ではあるが、まつの子ではない庶子だ。しかも利常自身の権力基盤は徳川にあり、前田にはない。その徳川もいちいち難癖をつけ、あれ…

エンディング(1)利常は「古九谷」を陣頭指揮する

N:そうなるとプロデューサーの問題はどうなりますか? 遠州はアドバイザー&コーディネーター以上の存在になりませんか? 私:たしかにそうなのだが、利休の茶室の件から考えてみても、利常は「古九谷」は一人利常のみの関与の意識ではなかったか? 利常は…